The Lord of the Rings: The Return of the King (2003) : ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

邪悪な魔力をもつ指輪を葬る旅に出た者たちの絆や波乱に富んだ旅、壮絶な戦いに終止符が打たれる!『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』三部作の完結編。
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The Lord of the Rings: The Return of the King (2003) / ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のあらすじ

指輪を捨てるため滅びの山を目指すフロド(イライジャ・ウッド)とサム(ショーン・アスティン)。だが彼らを道案内するゴラム(アンディ・サーキス)は、二人の仲を裂こうと目論んでいた。ゴラムの策略でフロドはサムを疑い始め、彼らは別の道を行くことになる。一方、冥王サウロンの軍が、人間の国ゴンドールに襲いかかる。ここが陥落すれば中つ国も滅んでしまう。旅の仲間はもちろん、ローハンの人々も、長らく国交が途絶えていたゴンドールを救うために立ち上がった。ガンダルフ(イアン・マッケラン)の必死の指揮にもかかわらず劣勢が続くが、そこに海賊船を奪ったアラゴルン(ヴィゴ・モーテンセン)率いる亡霊の大軍が現われて驚くべき力を発揮し、多くの犠牲を出しながらもゴンドールは勝利する。その頃、サムは巨大蜘蛛に襲われていたフロドのもとに駆け付け、彼らの信頼は戻った。しかしサウロンはたちまち兵を補強。アラゴルンは、フロドを少しでも助けようと、サウロンの目をそらすためにモルドールの黒門へ攻め込むことを決意する。まもなく、フロドとサムは滅びの山に辿り着いた。指輪を奪おうとしたゴラムがフロドに飛び掛かるが、結局、指輪はゴラムと共に火の中へ落ちていく。するとモルドールは滅び、皆は無事帰還することに。アラゴルンは中つ国の王となり、アルウェン(リヴ・タイラー)を妃に迎える。ホビット庄に帰ったフロドは旅の体験を『指輪物語』として執筆し始めるが、やがて書きかけのそれをサムに託して、再びガンダルフらと共に旅立っていくのだった。(Movie Walker)

The Lord of the Rings: The Return of the King (2003) / ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のあらすじ

再会

昼なお暗いモルドールの山。フロドが眠る隣でゴラムは、自身が“愛しいしと”と呼ぶ“一つの指輪”を初めて手に入れたときのことを思い出していた。彼はホビットの支族ストゥア族で スメアゴルと呼ばれていた。ある日、いっしょに川で魚を釣っていたデアゴルが川に落ちてたまたま指輪を拾う。スメアゴルはその指輪を見た瞬間に指輪に魅せられ、それを奪おうとしてデアゴルを殺してしまった。そのために村を追放された彼は、指輪だけを友に長い年月を過ごすうちに指輪の魔力に蝕まれ、徐々に心身ともに変貌し現在の姿になったのだ。眠りから目覚めたサムはゴラムの邪心を疑うが、フロドはそんなサムをいさめる。

森の中 裂け谷のエルフ エルロンドの娘アルウェンは、アラゴルンを愛しながらも父の言葉に従い、エルフたちとともに西方に船出する港に向っていた。が、彼女はひとりの幼い少年が、彼女の前を走っていきアラゴルンに抱きかかえられる幻を見て裂け谷に戻る。彼女は父に、自分が見たのは自分の息子であり、未来に希望はあると語り、アラゴルンの祖先イシルドゥアの折れた剣を鍛え直すよう訴える。だが、サウロンの力が増すとともにエルフの力は弱まり、アルウェンも次第に衰弱していくのだ。

一方、アラゴルンたちはサルマンの砦アイゼンガルドに向かい、そこでメリーとピピンに再会してお互いの無事を喜び合う。ピピンがサルマンの使っていた遠くを見る石=パランティーアを発見。ガンダルフが保持するが、好奇心の強いピピンはガンダルフが寝ているすきに覗いてしまう。だが、冥王サウロンも別のパランティーアを覗いているため、それを覗く者はサウロンからも見つかり彼の邪悪な力を及ぼされるのだ。ピピンもサウロンに見られて苦しめられるが ガンダルフに救われる。ガンダルフはピピンがパランティーアで見た光景から、サウロン勢のゴンドールへの進軍を知り、一行と別れ、ピピンを連れてゴンドールのミナス・ティリスに向かう。

ゴンドールで彼らを迎えたのは、愛する息子ボロミアの死を知って絶望する執政デネソールだった。ピピンは自分とメリーを救って死んだボロミアの恩に報いるために、デネソールに仕えることを申し出て 城の衛兵に任じられる。ガンダルフはデネソールにサウロンの攻撃に備えてローハンに援助を仰ぐよう勧めるが、彼はローハン軍と共にゴンドールの王の末裔アラゴルンが来て、自分が統治してきた国を奪われるのではないかと恐れて拒絶する。そこでガンダルフはピピンを使い、ローハンに援助を求めるのろしに点火する。のろしを見たローハンのセオデン王はゴンドールの援護を決意する。

疑念

ゴンドールの執政デネソールの息子ファラミアは、オスギリアスの砦でオークの軍に破れ ゴンドールの都ミナス・ティリスに撤退する。が、父デネソールは彼に戻って砦を奪回するように命じ、ファラミアが「ボロミアではなく、弟の自分が死んだほうがよかったと思っているのでは」と、問うと「そうだ」と返答する。が、ファラミアは父への愛を示すため、死を覚悟して戦場に戻っていく。

滅びの山を目指すフロドとサムの間にも事件が起きていた。ゴラムがサムを陥れようと、二人が寝ている間に唯一の食料であるレンバスをサムがひとりで食べたように偽装したのだ。フロドはゴラムの策略にのせられてサムを疑う。疑惑に苛まれるフロドはサムが指輪を運ぶことを申し出ると、彼が指輪を狙っていると誤解して「帰れ」と命じ、悲嘆にくれるサムを置き去りにしてしまう。

ローハンのハロウ砦(ダンハロウ)ではアラゴルンが焦る心を抑えていた。セオデンはこの地に各地の兵士たちを召集していたが、今ある戦力ではサウロン軍に勝てないのは明白だった。そこに裂け谷のエルフ王エルロンドがやって来る。彼はアラゴルンに鍛え直した王の剣「アンドゥリル」を与えて助言する。「死者の道」と呼ばれる場所に、かつて人間の王イシルドゥアに忠誠を誓いながらも誓約を果たさなかったため、その罰として永遠に成仏できずにいる、死者の王とその軍勢が封印されていることを話し、アラゴルンがイシルドゥアの末裔として王の証となる剣「アンドゥリル」を持って勇気を示し、死者の王を認めさせることができるならば彼らは戦いに加わるかもしれぬと。そこでアラゴルンは「死者の道」に向かうことを決意する。するとレゴラスとギムリも「友はつねに行動を共にするものだ」と、アラゴルンが止めるのも聞かずに同行する。

彼らを見送ったローハン軍は、いよいよゴンドール王国を襲うサウロン軍との戦いに向かう。ローハンの騎士となったメリーは戦闘に参加したいと申し出るが、セオデン王も勇敢な騎士である彼の甥エオメルも、メリーの心は信じているが身体の大きさが足りないからと城に残るよう勧める。が、メリーの不満は、女性だからといつも留守居役を命じられているエオメルの妹エオウィンの不満でもあった。彼女は「友のために戦うことは、誰にも止められない」と反論し、密かに男装しメリーを連れて兵士として出陣していく。

使命

ゴンドールの都ミナス・ティリスがオークの軍勢に襲われていた。執政デネソールは息子ファラミアが瀕死の重傷を負い意識不明で戻ったのを見て死んだと思い込み「執政の血筋は絶えた」と精神錯乱に陥る。そこでガンダルフがデネソールに代わってゴンドール軍の指揮を執り、自らも戦闘に加わっていく。デネソールは息子が死んだと思い込み、ピピンの説得にも耳を貸さず、ファラミアを道連れに焼身自殺しようとする。ピピンと駆けつけたガンダルフはファラミアを救うが、すでに火を放ち燃え上がったデネソールは乱心のまま塔から身を投げて果てる。

同じ頃、ゴンドールに向ったローハン軍はペレンノール野で冥王サウロンが送り込む闇の勢力と激突する。サウロンの勢力に参加しているのはゴスモグ が指揮するオーク軍だけではない。近接戦では無類の強さを誇る武装したトロルの上位種「オログ=ハイ 」、南方人ハラドリムたちが乗る巨大な獣「オリファント(ムマキル)」、空には“おぞましい獣”フェルビーストに乗って勢力を統率する「ナズグル」もいる。その上、黒船船団のウンバールの海賊たちまでもが参戦せんと、戦場に向かって来ているという。激しい戦乱の中、ナズグルの首領「アングマールの魔王」が、ローハンのセオデン王に襲いかかる。王を守ろうと剣を向けたエオウィンは、魔王が「人間の男に我を殺すことは不可能」とせせら笑い余裕を見せたとき、不意を突いた、人間ではないホビット・メリーの攻撃で魔王が怯む。彼女は戦士の兜を脱ぎ、長い金髪をなびかせて言う。「私は“男”ではない!」。そして剣で魔王の顔面を突き刺し、エオウィンは見事アングマールの魔王を倒す。その後、セオデン王は彼女に微笑み、「これで恥じることなく父祖の仲間入りができる」と息を引き取るのだった。

魔王を討っても闇の勢力の勢いは衰えず、ペレンノール野でもミナス・ティリスでも人間勢の苦戦は変わらず続き、もはや敗北は目前かと思われた時、ペレンノールの港に黒き船団が着く。オークたちは味方の海賊たちがやってきたと思って喜ぶが、船から現れたのはアラゴルンと彼が率いる死者の軍勢だった。永き呪縛からの解放を約束に、騎士としての誇りを取り戻しアラゴルンに一度だけの条件で召集に応じたのだ。アラゴルン、レゴラス、ギムリら三人と死者の軍勢は瞬く間に攻め上がり、それを機に軍は息を吹き返し形勢逆転、戦いはゴンドールとローハン連合軍の勝利に終わる。

だがその頃、フロドは危機に陥っていた。ゴラムの策略で大蜘蛛シェロブの棲処に導かれ その毒針に倒れたのだ。フロドの後を追ってきたサムがシェロブを撃退。フロドを連れ去ったオークをも倒してフロドを救出するが、フロドは指輪による衰弱のあまり歩けなくなる。するとサムはフロドを背負って歩き出す。「あなたの重荷は担えませんが、あなたを背負うことならできます」と。

その頃、アラゴルンら旅の仲間とゴンドールとローハンの連合軍は、フロドが滅びの山に辿り着き、“一つの指輪”を破壊する使命を成し遂げるまで、サウロンの目をそらすため、敵の本拠地モルドールに公然と最終決戦を挑むことを決意する。その地にそびえ立つ冥王サウロンの居城バラド=ドゥーアからは、倒しても倒しても無尽蔵と思えるほどの軍勢がサウロンによって送り出される。敵の本拠地での戦いに勝ち目はない。闇の勢力の力の源泉であるサウロンが滅びぬ限りは。だが、アラゴルンらはフロドが使命を必ず成し遂げ、“一つの指輪”を破壊しサウロンを完全に滅ぼすことだけを信じて覚悟を決め、「フロドのために」と先陣を切るアラゴルンがモルドールの黒門に挑むとき、すべての兵士が彼の覚悟の後に続き、敵の大群へと進撃するのだった。

アラゴルンらが満身創痍で戦い続ける頃、遂にフロドとサムは滅びの山の火口の淵まで辿り着く。だが、滅びを目前とした“一つの指輪”の魔力の最後の抵抗にフロドは屈し、「指輪は僕のものだ」と口にし指輪の破壊を放棄しようとする。さらにゴラムも現れ“いとしいしと”を奪い取ろうと、指輪をはめたフロドの指を噛みちぎる。遂に念願の指輪を取り返し狂喜するゴラム。フロドは立ち上がりゴラムへ飛びかかると、二人で崖から落ちてしまう。駆け寄りサムが火口を覗くと、フロドは火口に落ちていく指輪を追わずに何とか崖を掴み一命を取り留め、指輪を追って火口の中へ落ちたゴラムは喜びながら指輪を抱いて溶岩の中へと消えた。

そして、火口へ落ちた“一つの指輪”も滅びの時を迎え、遂に冥王サウロンは完全に消滅するのだった。

新たなる旅立ちと帰還

力の源泉であったサウロンが滅びたことで共に闇の勢力は滅び、フロドたちもガンダルフと鷲の王グワイヒアによって救出された。 その後、アラゴルンはゴンドールの王位に即位し、ミナス・ティリスに王が帰還した。その戴冠式を祝おうと、式に出席したフロドら4人のホビットであったが、アラゴルンは「礼を言うべきは我らの方」と、その場にいたすべての人間が頭を垂れ、4人の“勇者”に感謝の意を示した。 そして、フロドたちは故郷ホビット庄に帰還し、旅立つ前の平穏な生活を取り戻した、かに見えた。

だが、すべてが以前のままではなかった。 サウロンとの戦いからしばらくの時が流れ、サムは結婚した。メリーやピピンも平穏な生活を取り戻した。 しかし、指輪の運び手であったフロドのアングマールの魔王から受けた傷跡は、中つ国では完全には癒えることはなかった。変わってしまったものは元に戻ることはなかった。 ビルボがかつての旅を記した『ホビットの冒険』と、それを引き継ぎ自らの旅を書き上げた『ロード・オブ・ザ・リング』を書き終え、全ての使命を終えたフロドは、ビルボ、ガンダルフ、そしてエルロンドとガラドリエル夫妻らエルフたちと共に、神の国・ヴァリノールへと船出し、この中つ国を(つまりは現世を)去ることにしたのだった。 ガラドリエルは言う、「これからは人間の時代です」と。

ヴァリノールから、中つ国へ戻ってくることはできない。 「ありがとう、サム。今までよく仕えてくれた。これからは家族に仕えてくれ」 それが、旅立つフロドのサムへの別れの言葉だった。

そして、サムが妻子の待つ我が家へと帰還し、映画は幕を閉じる。

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